治療と仕事の両立支援への取り組み

治療と仕事の両立支援への取り組み

治療と仕事の両立支援とは

健康な従業員の方が病気にかかり治療が必要になると、働けなくケースが出てきます。
治療をしながら働くことを希望する人にとっては、治療と仕事を両立させることができるかは大きな問題です。
本人に治療をしながら働きたいという思いがあり、主治医によってそれが可能だと判断された場合は、従業員が働けるような職場環境の整備が求められています。
労働安全衛生法では、事業者による労働者の健康確保対策に関する規定が定められており、具体的な措置として、健康診断の実施及び必要があると認めるときは就業上の措置(就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等)の実施を義務付けております。これは、労働者が、業務に従事することによって、疾病を発症したり、疾病が増悪することを防止するための措置を事業者にもとめているものです。
事業者が疾病を抱える労働者を就労させると判断した場合は、業務により疾病が増悪しないよう、治療と仕事の両立のために必要となる一定の就業上の措置や治療に対する配慮を行うことは、労働者の健康管理措置等として位置づけられております。

 

社会保険労務士として、仕事と治療の両立支援に向けて職場内の現状に沿ったアドバイスをさせて頂きます。

治療と仕事の両立支援の取り組み

1.治療と仕事の両立支援の対象疾病
がん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝炎、その他難病等で反復・継続して治療が必要となる疾病で、短期で治癒する疾病は対象外となっております。

 

2.労働者本人からの申し出
治療と仕事の両立支援は、労働者本人からの支援を求める申出が必要です。
事業者の方は、両立支援の職場内のルールの作成と周知等で申し出がしやすい職場環境の整備が必要となります。

 

3.主治医への勤務状況の提供
「勤務情報提供書」など事業場が定める様式を利用して、業務内容や勤務時間など対象従業員の方の仕事に関する情報を主治医に提供します。
主治医より症状・治療の状況、通院治療中の就業継続の可否に関する意見、望ましい就業上の措置に関する意見(避けるべき作業、時間外労働の可否等)を「主治医意見書」として事業者が受け取ることで治療と仕事の両立支援が可能となります。

 

4.休暇制度、勤務制度の整備
治療と仕事の両立支援においては、短時間の治療が定期的に必要な場合、就業時間に一定の制限が必要な場合、通勤による負担軽減のために出勤時間をずらす必要な場合があります。
主治医からの意見書及び事業場の実情を踏まえて治要のための配慮を行う必要があります。
休暇・勤務制度に関する実例として
時間単位の年次有給休暇・病気休暇・時差出勤制度・短時間勤務制度・在宅勤務等があります。

 

5.治療と仕事の両立支援プランの策定
事業者は、従業員の方が治療をしながら就業の継続が可能であると判断した場合、業務によって疾病が増悪することがないように就業上の措置を決定し、実施する必要があります。
必要に応じて、具体的な措置や配慮の内容及びスケジュール等についてまとめた計画(両立支援プラン)を策定することが望ましいとされています。